はこだて国際科学祭2021EVENT
第62回 科学技術映像祭入選作品オンライン上映「日本のチカラ ヒメタツに魅せられて~再生へ向かう誇りの海~」
開催終了 YouTube 画像提供:株式会社 熊本放送
熊本県南部に位置する水俣市.この町に広がる「不知火海」はかつて公害により生態系を破壊された悲しい歴史を持つ.昭和20年~30年代にかけ,水俣市の化学工場から「水俣病」の原因となる大量の汚染物質が海に流された結果,大量の生き物たちが処分された.それから約70年.今,水俣の海は全国のダイバーたちが集まる注目のスポットになっている.
きっかけを作ったのは水俣市在住のダイバー 森下 誠さん(50).森下さんは故郷水俣の海に毎日潜り,海中の様子をカメラで撮影し続けている.写真には,海藻の森やサンゴ,そこで暮らすたくさんの生き物たちの姿など,再生へと向かう水俣の海の今が映し出されている.
水俣の海が持つ「マイナスのイメージ」を払拭したいと考えた森下さんは2009年,水俣市初のダイビングショップ「SEA HORSE」を立ち上げた.SEA HORSEには,全国から客が訪れ,中には何度も訪れるリピーターも.一番のお目当ては水俣の海に暮らす“ある珍しい生き物”を見るためだ.
その生き物とは2017年に国内で116年ぶりに確認された新種のタツノオトシゴ「ヒメタツ」.海藻やサンゴが生い茂る豊かで穏やかな海にしか住めない珍しい生き物だ.ダイバーたちは春から夏に迎えるヒメタツの繁殖シーズンになると神秘的な,生命誕生の瞬間を見ることができる.また,ヒメタツの発見には“さかな”で有名なあの人物が関わっていた.
かつて,”死の海”とまで呼ばれた水俣の海で繰り広げられる生命の営みと故郷水俣の今を伝え続ける森下さんの思い.美しい海中の映像と共にお楽しみください.
イベント情報
- 開催日時
- 7月20日(火)~8月29日(日)
- 対象
- どなたでも
- 参加費
- 無料
- 申込方法
- 予約不要
- 主催
- サイエンス・サポート函館
- 関連ウェブサイト
- 備考
- 製作:株式会社 熊本放送
企画・委託:公益財団法人 民間放送教育協会
製作:雪竹弘一,北山周平
演出:中村壮太郎
撮影:岩永雅人
配給協力:「科学技術映像祭」事務局